JICA実施の研修に協力しました②
【インキュベーションオフィス 見学編】

2025年7月15日(火)、JICA(独立行政法人 国際協力機構)の研修プログラムに参加されている11か国の研修員の方々が来訪されました。このプログラムは、開発途上国の中小企業支援に取り組む人材(行政職員や公的支援機関の職員など)の育成を目的としており、今回こうべ産業・就労支援財団もその一環として協力しました。

※前回の記事「開発途上国の中小企業を支えるJICA実施の研修に協力しました①」はこちら

講義の後は、神戸市産業振興センター内にある「インキュベーション神戸ハーバーオフィス」を見学しました。

創業支援の現場を見学ーインキュベーション神戸ハーバーオフィス

この施設は、創業を目指す方や創業間もない事業者向けに設けられており、事業の成長段階や規模に応じて選べる3タイプの部屋があります。当日は各タイプのオフィスを実際に見学し、現在入居している3社から、事業内容やオフィス利用の感想などを直接伺いました。

創業準備オフィス
創業準備オフィス(ブース型)株式会社スカイトーン
スモールオフィス
スモールオフィス(半個室型)株式会社Affinity Nexa

入居企業の皆さんからは、「神戸駅から徒歩5分という立地の良さ」や「入居者向けに毎月開催される“実践社長塾”が経営の学びに役立っている」といった、インキュベーションオフィスの魅力について伺うことができました。また、「通常のオフィスと比べて家賃が割安。さらに光熱費も家賃に含まれているため、コスト面で非常に助かっている」との意見もありました。

創業当初は自宅で作業していたという企業からは、「人を雇うにはオフィス環境が必要。それがきっかけで入居した」と語られました。さらに「入居者同士で自然に交流がうまれるので、他社の話から自社の課題に気づける」といった、オープンな環境ならではの効果も紹介されました。

研修員からは『インキュベーション施設の悪い所はないか?』という率直な質問もありましたが、これに対し「オフィスをもっと自由に装飾したいが、利用期間も限られていて難しい」といったHP制作や運用をする会社ならではの、デザイン面でこだわりきれないと言ったリアルな本音も聞かれました。
とはいえ『今後どんな支援が必要か』という質問に対し「今まで多くの支援をいただいた。これからは自分たちが利益を生み出すことで恩返ししていきたい」といった前向きな意見も聞かれました。支援に対する満足と感謝の気持ちが伝わってきました。

企業育成室
企業育成室(個室)株式会社RIGADEL
企業育成室

その他に研修員から『利益は出ているのか』など、より実務的な視点での質問なども寄せられました。研修員が単なる制度理解にとどまらず、実際の経営現場のリアルな運営に強い関心を寄せていることが伝わってきました。

創業準備オフィス(ブース型)株式会社スカイトーン
スモールオフィス(半個室型)株式会社Affinity Nexa
企業育成室(個室)株式会社RIGADEL

この後は、インキュベーション施設を卒業し、独り立ちした企業を訪問です!
職員ブログ【卒業企業 編】に続きます。