JICA実施の研修に協力しました③
【卒業企業 編】

2025年7月15日(火)、JICA(独立行政法人 国際協力機構)の研修プログラムに参加されている海外の研修員の方々が来訪されました。このプログラムは、開発途上国の中小企業支援に取り組む人材の育成を目的としており、今回こうべ産業・就労支援財団もその一環として協力しました。

※前回の記事「JICA実施の研修に協力しました②【インキュベーションオフィス 見学編】」はこちら

午後のプログラムでは、インキュベーション施設を卒業し、現在も事業を展開されている2社の代表からお話を伺いました。1社は実際に企業訪問し、もう1社は神戸市産業振興センター内で伺いました。

男性向けウィッグ市場に挑戦ー株式会社GUBA

最初に訪問したのは、ウィッグの小売・卸・OEMを手がける株式会社GUBAです。
代表の古川さんはウィッグ会社の営業経験を活かし、「男性向けウィッグ市場を開拓したい」という思いから起業されました。
起業当初は、インキュベーション施設の最も小さい創業準備オフィス(ブース型)からスタート。事業が成長し従業員を雇用したため、半個室のスモールオフィス(半個室型)へ移動しました。2つのオフィスの利用期間5年満了に伴い卒業し、現在は自社の拠点で事業を展開されています。

インキュベーション施設の魅力については、「起業仲間とつながりがもて、今も交流が続いていることが心強い」と話してくださいました。業種は違っても税金や雇用に関する悩みなども共有できる仲間の存在が支えになっているそうです。また、インキュベーション施設の入居者も口をそろえていたように、「実践社長塾」への参加は大変役立ったと語られました。

交流タイムで多彩な文化に触れる

その後、各国のウィッグ事情について話がはずみました。
ウィッグは使用せずエクステや植毛を利用する国があるなど、文化の違いを知る貴重な交流の機会になりました。
この時間には、現在インキュベーション施設に入居中の株式会社RIGADELの代表も加わり、交流が一層深まりました。支援が終わった後でも「仲間とのつながり」を大切にしている様子が伝わりました。

JICAバス

企業概要
企業名:株式会社GUBA(グーバ)
代表者名:古川 タカシ
設立:2021年9月1日
屋号:GUBA
事業内容:ウィッグ・ヘアピースの小売、卸売およびOEM事業

三味線の魅力を広げる挑戦ー結(ゆい)

続いて、三味線のメンテナンス・販売・イベント企画を行う結(ゆい)の代表の布施さんにお話を伺いました。
起業のきっかけは「三味線の魅力をもっと多くの人に伝えたい」という思いからで、2024年8月までスモールオフィス(半個室型)に入居されていました。
起業時には、物販ならではの悩みである「仕入れ資金繰りの不安」「知識や情報の少なさ」「精神的な孤独」に直面したそうですが、インキュベーション施設の相談できる環境や支援制度のおかげで事業を続けることができたと語ってくださいました。

日本の伝統文化に触れるひととき

研修の締めくくりには、三味線アーティストによる演奏が行われ、ケーキとドリンクを楽しみながら、日本の伝統文化に触れる楽しいひとときとなりました。
演奏が始まると会場は大盛り上がり、研修員にとって印象深い体験となりました。

結
三味線
三味線

企業概要
企業名:
代表者名:布施 剛史
設立:2017年3月11日
事業内容:三味線・付属品の販売、三味線の修理・メンテナンス、イベント企画

今回は11か国からの研修員をお迎えし、それぞれ異なる背景や課題を持つ中でも、真剣に耳を傾け積極的に質問をする姿がとても印象的でした。
短い時間ではありましたが、財団の取り組みや企業の現場が、母国に帰った際に少しでも皆さんのヒントになっていれば嬉しく思います。

JICA研修