歴史と想いを可視化する― 旭屋ガラス店がWEBサイトをリニューアル
旭屋ガラス店株式会社
こうべ産業・就労支援財団では、市内中小企業が新たなクリエイターと出会い、その力を借りて挑戦する機会を提供するデザインUPプロジェクト(企業×クリエイターマッチング事業)を実施しています。
今回ご紹介するデザインUPプロジェクトは、旭屋ガラス店とstudio RAW が対話を重ねながら進めたサイトリニューアルです。

企業×クリエイターマッチング
【中小企業】
旭屋ガラス店株式会社
代表取締役 古舘 嘉一 氏
昭和から受け継ぐガラス文化を次世代へつなぐ工房。希少な昭和型板ガラスを現代の暮らしに合う器や照明へと生まれ変わらせる、“記憶を紡ぐ”神戸のガラス店。
ホームページ:https://asahiyaglass.jp/
【クリエイター】
studio RAW 代表 北谷 玲佳 氏
神戸発のクリエイティブスタジオ。写真・映像・デザインで“本質”を描き、リアルで芯のあるストーリーを届ける、表現にこだわる制作会社。
企業の歩みと向き合うプロジェクト
旭屋ガラス店は、1927年創業の老舗ガラス店です。建築用ガラスの加工・施工を中心に、近年は昭和期の型板(かたいた)ガラスを照明やインテリアとして再生する取り組みにも力を入れています。
今回の取り組み、自社サイトのリニューアルにおいて重視したのは、単なるデザインの刷新ではなく、これまで積み重ねてきた歴史や価値を、無理なく伝えること。
その想いを受け止め、制作を担当したのが、神戸を拠点に活動するstudio RAWの北谷氏でした。
対話を重ねる中で見えてきた「らしさ」
本プロジェクトの特徴は、直接対話を重ねることでした。北谷氏は、ヒアリングだけでなく、過去の取材記事やメディア掲載内容にも丁寧に目を通し、旭屋ガラス店の歩みを多角的に整理していきました。
その過程で印象的だったのが、「どのように見せるか」よりも「何を大切にしてきたのか」に注目し、時間をかけて旭屋ガラス店らしさを紐解いていく姿勢でした。
その結果、リニューアルサイトでは、型板ガラスそのものの存在感を活かしたシンプルな構成と、写真や言葉も過度に装飾しない表現が選ばれました。

自然な流れで生まれた新しいロゴ
サイトリニューアルに向け、対話を進める中で、新たなロゴの発想も生まれました。
対話を重ね、屋号や企業イメージを改めて整理していく中で、イメージをロゴにする意義が共有されたのです。
企業とクリエイターが同じ目線で考え、形にしていく、その過程で生まれたロゴ。
完成した“旭屋ガラス店”のロゴは、古舘代表が以前から抱いていた自社イメージと重なり、現在の事業やリニューアルサイトのトーンと自然に馴染むものとなっています。

リニューアル後の反響と、これからの展開
サイトリニューアル後は、昭和の型板ガラスを活用した商品の問い合わせが増え、法人・個人を問わず、幅広い反響が寄せられているといいます。北谷氏の力を借りて、自社の伝えたい情報を整理し、見せ方を工夫したことで、これまで以上に、旭屋ガラス店の商品の魅力や事業内容が伝わりやすくなったようです。
今後は、型板ガラスの価値や背景をより深く伝えるコンテンツの拡充や、新たな取り組みに関する情報発信などを検討しています。例えば、能登半島地震の被災家屋から出た昭和型板ガラスを引き取り、それらをお皿やランプシェードへ再生して販売し、売上の一部を能登へ寄付する取り組みを実施しています。使われなくなったガラスを廃棄することなく新たな価値を吹き込み、復興支援につなげる。旭屋ガラス店が大切にしてきた“思い出を未来につなぐものづくり”を社会的な文脈へと広げる実践です。旭屋ガラス店の挑戦は、神戸から能登へ、さらに広がりを見せていくことでしょう。
今回のプロジェクトは、ホームページのリニューアルがテーマでしたが、その過程で整理した視点や表現は、今後の事業展開や発信に活かされていくようです。

本記事でご紹介したプロジェクトは、企業とクリエイターが対話を重ねることで目線を合わせ、クリエイターの発想力、表現力を借りて次の事業展開へと繋がる取り組みとなりました。
令和8年度も、自社になかった発想や視点を加えて事業を成長させていきたい中小企業のプロジェクトを募集しています。
デザインUPプロジェクト(企業×クリエイターマッチング事業)
市内中小企業からのご相談を受けて、デザイン課題を解決するクリエイターをマッチングし、派遣します。
デザインUPプロジェクトでは、クリエイターがデザインを提供し、付加価値向上を目指します。
デザインUPプロジェクトの詳細を見る
他に、市内中小企業からのご相談に応じて、専門家をマッチングし、派遣する事業もあります。
専門家派遣事業では、専門家が助言や指導を通じて、事業成長を後押しすることを目指します。
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今回のプロジェクトに関して、併せてこちらの記事もご覧ください:KOBE CREATORS NOTE特集記事
