太陽のように輝く笑顔の女性経営者にお会いしました🌞 (有限会社吉井電機 代表取締役 三浦 泉氏)

「この社長なら、どんな困難でも乗り越えていけるだろうと思わせてくれる」
産振財団で三浦社長と初めてお会いして、そう思いました。

産振財団にて1枚パチリ。笑顔がとっても素敵です~(^^)

三浦社長と産振財団との関わり

 三浦社長と産振財団との関わりは8年ほど前にさかのぼります。
当時、三浦社長がまだ代表ではなく、先代であるお父様の跡を継ぐために吉井電機に入ったばかりの頃だったよう。支援制度にも「事業承継」という制度はまだ出来ていなかったころでした。
そして当時、窓口として対応したのが、現在事業承継を担当している職員Aさんでした。そこからの長い関わりだったんですね!
 その1年後、三浦社長は会社の経営など全般についてのアドバイスを求め、そのころから支援制度としてあった「専門家派遣事業」を利用しました。

 その後、吉井電機は100年経営支援事業の後継者候補としての登録もしています。

事業承継の概要

 ある日突然、吉井電機の税理士から三浦社長のお母様に「会社のことでお話が」という電話があったそう。お母様1人では何が何だか分からないしと三浦社長に連絡が入り、三浦社長も仕方ないなあと同行したそうです。(お母様も三浦社長も当時吉井電機で働いていませんでした。)
すると税理士から衝撃の一言。「お父様(当時の社長)にお話しても一方通行で時間もありませんのではっきり言います。吉井電機の資金繰りは限界で、どうやってもあと3ヶ月ももちません。もうどの金融機関も貸してくれる状態ではないです。」と。
 こんなことを会社の資金関係全般を見てくれている税理士から言われたら、みなさんはどうします?ちなみに私だったら、「え、どうしたらいいんだ?会社は当然続けられないし、働いている人の退職金はどうする?いくら親とは言え、働いたこともない会社の始末なんかできるわけない・・・」と思って責任から逃げると思います。ずるい考えだとは重々承知の上ですが、自分には関係ないと突っぱねていたと思います。
でもこれは普通の人だったら、だいたい同じような答えになるのでは?(同じと言ってくれ~~(笑))

 ところが三浦社長は全く違いました。なんと翌日には税理士に、「私がやります!」と返事したんです。税理士もこの答えは全く予想していなかったようで、「無理です。3ヶ月しかないし、30人以上の従業員の人生を背負う覚悟はあるんですか!」と言われたそうです。
当時の負債は1億円を超えていました。それでも三浦社長の意志は固く、専務として吉井電機に入社し、2017年7月21日に代表取締役に就任します。

どんな困難も乗り越えて

 入社してからも当然苦難の連続。資金繰り、負債の返済、新規販路開拓、旧体制の改革、従業員の雇用などなど・・・。それでも決して後ろを振り向くことなく三浦社長は突き進みました。ものすごいバイタリティーです。
そして承継してから3年で業績は黒字に。税理士もものすごく喜んでくれたそうです。
 が、やはりただ者ではない三浦社長。1度くらいの黒字では嬉しくもなんともなかったそうです。その後は黒字経営を続けていますが、コロナ禍、大手得意先の受注減など、次々と吉井電機に襲い掛かる困難。

 それでも三浦社長は、「仕事が減っても逆にチャンスだと思っている。今期は黒字経営になってから初めてしんどいと思った年だったが、しんどい年だからこそ今までの振り返りが出来た。自分が凹むと従業員も凹む。ダメな時ほど前向きにと思っている。」と、太陽のようにキラキラ輝く笑顔でおっしゃいました。
わたし、同性ですが惚れてまうやろ~~って言いそうになりました(笑)

今までのこと、これからのこと

 承継して7年。三浦社長にもようやく今までのことを振り返る余裕も出てきたそうで、今、ご自身の経験を手記にしようと考え、まとめている最中とのこと。もちろん仕事は今まで以上にバリバリやりながらです。やっぱりすごい!
 2024年3月8日には大阪商工会議所が主催する「第2回活躍する女性リーダー表彰(愛称:ブルーローズ表彰)」にも選ばれ、色々な機関からのプレゼン依頼なども入っているとのこと。三浦社長の経験を是非とも多くの方に知っていただきたいと思います。
 産振財団も、今後も引き続きできることをお手伝いしていきたいです。

担当A氏、アドバイザーM氏と

事業者名:有限会社吉井電機
代表取締役:三浦 泉氏
開業年月日:1985年3月3日
所在地:神戸市東灘区深江南町1丁目14-3
ホームページ:https://www.yoshiidenki.co.jp/
事業内容:継電器盤や試験機・医療機器・試験機の製作、 はんだ付け作業・配線組立・圧着作業・
     ケーブルの端末処理 等

                             (この記事を書いた人:経営支援グループ MU)