高速道路の交通安全・安心を支える技術で、国内トップシェア~株式会社創発システム研究所
当財団では、中小製造業の現状把握と支援の御用聞きを兼ねて、中小企業の皆様を訪問しています。
(神戸市中小製造業訪問調査事業)
今回お邪魔したのは、㈱創発システム研究所。
産振財団とは、中堀社長が大手電機メーカー退職後に企業育成室で2000年に創業されて以来、
20年を超えるお付き合いです。
創業当初は少数精鋭で始めた会社も、今は社員20名を有する企業に成長しました。
会社を支える仲間が増え、業務領域もソフトウェア開発業から電気機器製造業まで拡大。国際色豊かな社員の方々が力を合わせて、国内外に販路を拡大されている、小さなグローバル企業です。
高速道路の安全の守護神!トンネル換気制御システムで国内シェアトップ
創発システム研究所は、シミュレーション技術、センシング技術を活かした製品を開発しており、その技術力の高さから「神戸発・優れた技術」に認定されています。
例えば、普段何気なく通っている高速道路のトンネルの天井に設置されている、ジェットファン。
車の走行によって生じる空気の流れとは逆方向に風を送り、トンネル外へ出ようとする空気の流れを抑制し、そのことによって送排風機がトンネル内の空気を吸い込みやすくするシステムですが、㈱創発システム研究所はこのシステムを管理するインバータ換気動力盤の国内シェアはほぼ100%なのです。
また、熱画像検知式自動通報設備、火点位置検出装置、レーザ式車両検知器など、道路トンネルにまつわる商品ラインアップを揃え、道路トンネルの省エネ、環境対策、火災時の安全向上に貢献しています。
近年ではトンネル技術で培ったセンシング技術を活かして、火点を煙ではなく温度で確実に検知する「温度検知式火点日検出装置」を開発しました。メンテナンスフリーで生涯コストを抑え、誤報を排除した火災センサは、冷凍倉庫、バッテリー室、コンベア、物流倉庫、機械設備などでの運用が期待できます。
高い新製品開発力の源泉は、国際色豊かな社員のチームワーク
㈱創発システム研究所の強みは、高い新製品開発力と国際コミュニケーション能力。
製造はファブレス(製造工場を持たない)ですが、自社システムのソフトウェアからインバーターユニットのフィルターまで自社で設計し、そのメンテナンスにも対応しています。
それらを可能にしているのは、創発システム研究所に入社した元・留学生の存在。日本だけでなく、ネパール、ベトナム、台湾、アメリカ、フランス出身の社員の皆さんが、自由な発想で日々開発に携わり、その成果が数多くの論文発表や特許出願に表れています。
神戸から世界へ。世界の道路トンネルに安心・安全を届ける。
近年では、独立行政法人 国際協力機構(JICA)のODA(政府開発援助)プロジェクトに採択。ネパールやフィリピンのトンネルでも同社の換気制御盤が稼働する予定です。
今後、ODAの実績を足掛かりに、道路工事需要が見込まれる東南アジアや鉱山が多いオーストラリアへの進出を目指しています。換気制御システム設備のグローバルリーディングカンパニーを目指す、㈱創発システム研究所の今後の活躍に目が離せません。
企業情報
商号 株式会社創発システム研究所
本社所在地 〒650-0035 兵庫県神戸市中央区浪花町64 三宮電電ビル3階A-2
業務内容 道路トンネルの換気・防災用監視制御システムの設計・開発業務
ホームページ https://sohatsu.com/
※神戸発・優れた技術の認定企業です。