私たちの生活に欠かせない「衣服」。

1本またはそれ以上の糸で、編目の組み合わせ配列をつくって生地を形成する「ニッティング技術」のジャンルは近年広がり、ジーンズやスーツ、ドレスからベッドのマットレス生地や自動車の座面シートまで多岐にわたります。
ファッション都市・神戸には、そんなニット業界において電子柄編技術で世界を席巻する、株式会社福原精機製作所があります。

近代日本のものづくりの原点「編機」で世界と勝負

株式会社福原精機製作所は、世界トップクラスのシェアを誇る、日本で唯一のニット丸編機メーカーです。

昭和初期に繊維機械、工業用ミシン、電気機器等の輸入、国内販売業として創業した福原産業貿易株式会社の芦屋工場から分離独立した同社。丸編機の開発・生産に注力して事業拡大の礎を築きました。今では製品の90％を繊維産業が盛んな欧米、トルコ、インド、バングラディシュ等に輸出しており、世界46か国以上で愛用されるFUKUHARAブランドに成長しました。

FUKUHARAブランドの丸編機の特徴は、何といっても組み合わせ技術の豊富さ。
完全受注生産の丸編機は、制御方法、編針や糸の細さ、編み方、色数で何千通りもの組み合わせからお客様の要望にマッチした一台を作り上げます。

ダイナミックな編機で編む、唯一無二の生地

高級メゾンが好む緻密なデザインを実現する丸編機、一体どのようなものかと興味津々で展示場を拝見すると、そこには圧巻の光景が広がっていました。

巨大樹を彷彿とさせるダイナミックな装置の内部は、細い糸をとる編針が整然と並び本当に美しいです。厳しい競争の中で世界初の技術を次々に開発してきた技術者のプライドが垣間見えます。特に、デザイン自体が生地に編み込まれているジャガード編の分野では、電子制御で緻密かつ複雑な柄を入れて薄い生地に編み上げる技術を有し、当社の強みとなっています。その技術力の高さから、「神戸発・優れた技術」にも認定され、FUKUHARAブランドの丸編機で編まれたテキスタイルは世界を魅了しています。

社員一丸で進める社会貢献活動

株式会社福原精機製作所では、ひょうご産業SDGs推進宣言事業をはじめ、献血運動の推進や障害者雇用優良事業所認定など、多岐にわたり社会的責任を果たしています。特に障害者雇用では、主に事務作業や部品の金属加工の現場で障害者を雇用し、その功績により厚生労働省から障害者雇用に積極的な事業所に贈られる「もにす認定」を受けました。繊維業界で躍進する株式会社福原精機製作所の裏には、優れた技術を支える社員を大切にする企業風土と、会社と社員が一丸となった社会貢献の取組がありました。

「これからも丸編機一本で世界に挑戦する。」

業界のトップランナーとして、株式会社福原精機製作所は多様な糸遣いで陳腐化しない技術を、これからも追究します。

企業情報

企業名：株式会社福原精機製作所

所在地：神戸市西区井吹台東町7丁目3番5号

従業員数：238名（2024年7月30日現在）

主製品：ニット用丸編機、及び編機用デザインシステム

※神戸発・優れた技術認定企業