神戸発・優れた技術認定企業訪問 第3回 <目指せ!業界世界一の技術力> ~株式会社奥谷金網製作所~

産振財団の「神戸発・優れた技術」認定企業「株式会社奥谷金網製作所」の神戸本社(ヒストリーミュージアム)・ショールームに訪問させていただきました。

企業情報

企 業 名  :株式会社奥谷金網製作所
代表取締役社長:奥谷 智彦 氏
住 所(本社):〒650-0025 神戸市中央区相生町4丁目5-5
従 業 員  :63名
ホームページ :https://www.okutanikanaami.co.jp/

事業内容

当社は、総合金網・パンチングメタル(打抜金網)のメーカーとして創業。1895年(明治28年)に創業以来、工業用各種金網、パンチングメタル、各種フィルターなどを製造・販売し国内と海外に納品している。

当社の強み

■常識を変えた「スーパーパンチング」
従来、板厚より小孔径・小ピッチの孔開け加工は、切削加工・レーザー加工でしか出来なかったが、「スーパーパンチング」の開発により、パンチングでの加工が実現。従来よりも開孔率を維持し、板厚を厚くすることで高耐圧・高耐久・長寿命が可能となり、切削、レーザー加工と比較し低コスト・短納期での提供が実現した。そして、スーパーパンチングの加工技樹を活用し、開孔率80~90%の「大開孔率パンチング」の製品開発にも成功している。

近年では、「スーパーパンチング」以外にも丈夫な「耐摩耗鋼板」に孔を打ち抜く技術や「二相ステンレス鋼パンチングトレーナー」などの開発にも成功している。

スーパーパンチング加工で作られたパンチングメタル

ヒストリーミュージアム・ショールームについて

■ヒストリーミュージアムについて

2022年(創業127年目)に「ホールソリューションカンパニー」として金網、パンチングメタルの枠にとどまらない”孔専門の会社”の歴史の通過点として神戸本社の1階をリフォームし、「OKUTANI HISTORY MUSEUM」をオープン。創業当初から製作していた手細工の金網加工製品、往年の各種金網織機や当時のプレスマシーンなどを公開しており、奥谷金網が歩んできた歴史を体感することができる。
画像のクリンプ金網用ガリ線機械はヒストリーミュージアムの設置のために全体の塗装を行ったとのことであり、ミュージアムに対するこだわりを感じました。

クリンプ金網用ガリ線機械(ヒストリーミュージアム内)
奥谷社長から製品加工説明(ショールーム内)

 

 

 

■ショールームについて

「商品の実物を見てほしい」・「製造業のイメージ一新」・「他社との差別化」・「OKUTANIのブランド化」・「営業スタイルの多様化」・「社員教育の場としての活用」などの思いから、2008年にオープン。様々な孔径や素材で作られた金網やパンチングメタルのサンプルがまるでアパレルのショールームのように展示され、奥谷社長のセンスと先進性を感じ、印象的でした。

最後に

1枚目の写真でも分かる通り、奥谷社長はとてもパワフルで気さくな方であり、当社の技術や今後の取り組みなどについて熱心にお話いただきました。当社はパンチングメタルの加工技術では海外トップレベルの技術を持ちながらも常に開発や新しい取り組みを行っており、会社全体として常に向上・発展を目指す姿勢を感じました。また、ショールームを訪問している際に、隣の会議室から英語での会話が聞こえてきたりと海外支店を持っている当社の特色を感じるとともに、製造業に対するイメージが一新しました。
常に新しいことにチャレンジしている当社ですが、今後は「DX」「SDGs」への取り組みをより注力していくとのことでした。「DX」「SDGs」はすべての企業の大きなテーマでもあり、当財団でも支援を強化していきます。

財団は、当社の更なる発展のため、今後も引き続きご支援して参ります。