実用新案権取得から販路開拓に挑む!

当財団が行っている、神戸市知的財産出願支援補助金を活用し、実用新案を取得された金川刺繍株式会社に出願の経緯や今後の展望について伺ってきました!

金川刺繍株式会社について

ネットでオーダーメードの刺繍を注文できる刺繍一筋 92年の老舗の刺繍屋。
「高い品質」を持つ”本物”をお届けしています。




創    業 :1933年
法 人 設 立:1961年
資 本 金 :1000万円
代 表 者 :金川 誠司
住    所 :兵庫県神戸市長田区梅ヶ香町1-13-5
事 業 内 容 :ネーム、ワッペン、キャップ等の刺繍
営 業 時 間 :9:00~18:00(土日祝日は休み)
機 材 :コンピュータ多頭式刺繍機
       横振り、ハンドルミシン、
       本縫い千鳥ミシン、ワッペンメロー
       パンチングマシン 等
ホームページ:https://sishuu.com/

実用新案に登録された技術について

使用されている商品:こねっくと🄬
考案の名称:刺繍ワッペン
技術の内容:・衣類などの布製品に取り付けても違和感が生じないNFCタグ入りの刺繍ワッペン。
      ・ワッペンの近くにスマートフォンをかざすと様々な情報がスマートフォンから見える。
      ・刺繍の中にはNFCタグを保護する防水シールがあるため、洗濯も可能になっている。
(こねっくと🄬についてはこちらからご覧ください:https://xn--y8jh2cvaw.xn--1cr778h.com/
(実用新案の詳細はこちらからご覧ください:https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1801/PU/JP-3245323/25/ja

こねっくと🄬(刺繍ワッペン)を使用している名刺ケース

実用新案権出願の経緯

年に一度、長田区で開催されている開工神戸に参加した際に想像を上回る数の来場者があり、1人1人に説明ができなかったことがあった。そこで、人がいなくても商品や技術の説明ができないかと考えたのがきっかけ。
幅広い刺繍ノウハウを持っている代表がNFCタグに興味を持ち、刺繍とNFCタグを掛け合わせることで人がいなくてもワッペンにスマートフォンをかざせば商品の内容が分かる「こねっくと🄬」を発明した。また、代表がNFCタグのプログラミングもできるということもあり、全て自社で製造している。

「こねっくと🄬」で知的財産権の出願は検討もしていなかったが、仲良くしている経営者の方に「特許を取っておいた方が良い!」と言われたことがきっかけで出願を検討することになる。
しかし、特許を取得したことはなく「この技術で特許が取れるのか」や「どのような流れで出願するのか」、「どれくらいの費用がかかるか分からない」などの理由で、出願を進めていなかったときに、神戸市知的財産出願支援補助金を知り、当財団に来ていただき、面談。

まずは、INPIT兵庫県知財総合支援窓口をご紹介し、知財支援アドバイザーより下記の点について助言いただきました。
・どの知的財産で出願するのが良いのか(取得後のメリットも含めて)
・それぞれの知的財産権の概要について(取得までの流れや費用感など)
・弁理士の探し方(弁理士ナビ)

INPIT兵庫県知財総合支援窓口との相談を行い、特許の取得が難しいことが分かり、実用新案での出願に切り替え、教えていただいた弁理士ナビから弁理士を探し、弁理士の先生と打ち合わせを行う。2週間程度で出願を行い、実用新案の登録が完了。

今回、取得した実用新案登録証

実用新案の活用について





取得した実用新案は権利侵害者に対する損害賠償の請求のみならず、自社のブランディング等にも利用できる。

早速、東京の大田区で行われた展示会に実用新案の登録証を展示し、当社の技術力の高さをアピール。そのおかげか、取引に繋がるような話もあったそう。

大田区での展示会ブース

さいごに

今後の展望についてお伺いすると、この技術を活用し異業種の他社との協業などを行っていくとのことでした。
現在も長田区のアパレル企業とのコラボを行い、販売も行っています。
知的財産は守りのイメージがありますが、使い方次第で広報や営業、ブランディングなどにも使えます。取得して終わりではなく、取得してどう活用するのか、その重要さに気づかされました。
今後も当社の活躍に注目です!!

代表の金川さまと奥様

<この記事を書いた人>

産業イノベーション推進部 担当者