細やかに要望を聴き、しなやかに樹脂を削り出す~株式会社糸井樹脂製作所
産業用部品の樹脂加工の分野で創業70年を超える老舗、株式会社糸井樹脂製作所は兵庫運河のほとりにあります。


樹脂の塊から刃物一本で製品を彫り起こす
株式会社糸井樹脂製作所は、汎用材から難削材までの樹脂加工が得意です。樹脂加工には材料を加熱して金型に流し込み冷やし固める「射出成形法」がありますが、同社では材料から1つずつ丁寧に削り出して成形する機械加工にこだわっています。
これまで主に自動車・半導体 ・医療分野で多数実績があり、 小ロット、短納期での対応ができる点がお客様にも好評です。


技術を活かして医療分野にも進出
そんな小ロット、短納期での加工の技が最も光るのは、「医療分野」です。
CTやMRI、PETといった放射線画像装置の撮影性能をチェックする目的で使用される医療用ファントム(人体の皮膚、体内臓器が受ける放射線量を決めるため、人間の代わりとして用いられる模型)を大学教授と試作と議論を重ねて、10年かけて製品化しました。異分野のオーダーメイドにも対応できるのは、これまでの自動車・半導体業界で培った試作からくる経験とアイデア、そして高い加工技術の賜物といえます。
この医療用ファントムの製造技術が特に評価され、神戸発・優れた技術にも認定されています。



自動車、半導体、医療業界をこっそり支える「縁の下の力持ち」
株式会社糸井樹脂製作所の製品は、最終製品に内在する部品が多く、利用者が製品を目にすることは稀です。しかし、手間を惜しまない「高品質、短納期」への追究に止まることはありません。近年は、電気自動車に使われるガラス繊維を混ぜ込んだ耐熱性の高いプラスチックをはじめ、加工難易度の高い素材にも挑んでいます。
これからも産業界を支える新技術の習得に向けて、株式会社糸井樹脂製作所の挑戦は続きます。


