“攻め”と“守り”のDX推進で、100億円企業を目指す~旭光電機株式会社

1947年に創業した旭光電機株式会社は、神戸に本社、明石に生産拠点を置く、センシング技術(センサーで様々な情報を計測・数値化する技術の総称)において国内トップクラスの技術力を誇る企業です。日本初の自動ドア用コントローラーを開発し、現在もビル向け自動ドア用センサーにおいては国内シェア約70%、東海道新幹線向け自動ドアセンサーのシェアは 100%を占め、その他、鉄道駅の可動式ホームドアにも旭光電機株式会社のものづくり技術が多数採用されています。

オンリーワンの技術力でさらなる競争力を生む“攻め”と“守り”のDX

同社は、長年、自動ドア、鉄道、船舶の分野で培ってきたセンシング・コントロール・無線通信ネットワーク技術を核にして、IoT製品開発など新たな価値を生み出す“攻め”のDXと、工場の効率化を推進する“守り”のDXの実現を目指しています。

“攻め”のDX -コロナ禍が生んだ新規事業に向けたDX-

コロナ禍の当時、既存OEM事業の売上が急落した旭光電機株式会社にとって、自社製品の開発による下請けからの脱却が急務でした。

そこで、営業部と技術部が中心となり、IoT製品の開発を着手。長年培ったセンサーとコントロール技術を生かし、既存設備に取り付けるだけで稼働状況などをデータ化・クラウド管理できる「Smart Fit PRO」シリーズをはじめ、複数のソリューションツールを商品化しました。また、現在の技術トレンドとして欠かせないAIにも着目。非ネット環境でも生成AIが使用可能なエッジAIデバイスを新たに開発し、今後の幅広い産業分野での活用が期待されています。

※端末側でAI処理が可能なデバイスのこと

携帯回線でクラウドとつながる、次世代IoTエッジデバイス「SmartFit PRO」
センシング技術を活かした”攻めのDX”商品群は、現場のアイデアから誕生

“守り”のDX -現場ファーストで取り組むDX-

同じ頃、神戸市のIoT支援を受け、工場の稼働状況を分析した結果、部材の運搬やラインの監視を巡るスタッフの無駄な動きが判明。材料や部品、完成品の運搬を設備監視の担当者が行っており、そのたびにラインが停止していました。また、製造現場特有の「チョコ停」も、部品の詰まりなどにより頻繁に発生していました。

これらの課題に対し、搬送ロボットとセンサーを活用して自動化と可視化を推進。製造ラインと連動した運搬の自動化に加え、異常を即時通知する表示灯や、クラウドで稼働状況を把握できる仕組みを構築しました。

当初は、「従来通りの方が早いのでは?」と疑問に感じていた社員も、導入後は利便性を実感。今では各スタッフが「何をすれば業務改善ができるのか」を意識し、現場主導のDXを推進しています。

消費電力とCO2排出量の「見える化」を実現した「wattXplorer」
センシング技術×ロボットで運搬の自動化に成功

DXサークル活動により、現場の知恵をデジタル技術で強化!

「何をやったらいいのか分からない、人も予算も不足する」、「トップダウンでDXをやれと言われても、現場はDX化のイメージが分からない」などの理由から、多くの生産現場でのDX導入はまだまだ不十分な状況です。

同社では、生産現場で行われてきた小集団カイゼン活動であるQCサークル活動にデジタル技術を加えることで、品質向上や生産性向上、コスト改善を実現してきました。DX導入ありきのDXファーストではなく、現場の知恵をデジタルで強化する現場の地道な活動こそが、効率的で持続可能な改善活動を推進する重要なポイントなのです。

おわりに

“攻め”と“守り”のDXを推進する旭光電機株式会社は、自社工場の完全自動化や、カーボンニュートラル実現に向けたCO2測定デバイスの開発に向け、今後もDX分野での事業拡大を加速させていきます。旭光電機株式会社は、これからも神戸の産業界を牽引する存在として、売上100億円企業を目指していきます。

企業情報

商号:旭光電機株式会社
代表者:代表取締役 和田 貴志
本社所在地:〒652-0032 兵庫県神戸市兵庫区荒田町1丁目2番4号
事業内容:各種センサー / コントローラー及び各種制御装置の開発・設計・製造
HP:旭光電機株式会社:センサー・コントローラー技術開発

※旭光電機株式会社は、神戸発・優れた技術の認定企業です。