マッチング成約 3例目!地域に親しまれるサンドイッチ専門店の承継

有限会社ピンポイント(神戸市灘区)

サンドイッチ製造小売業

譲渡者:有限会社ピンポイント 代表取締役 小笠原 恵 さん

マジックパン 神戸手づくりサンドイッチ

譲受者: 山根 智治 さん 

1.本件概略

  1. 譲渡企業名:有限会社ピンポイント
    譲渡者:代表取締役 小笠原 恵(68歳)
    法人概要:1995年7月10日設立、資本金800万円
    所在地:神戸市灘区篠原南町6-1-1  
    事業内容:サンドイッチ製造小売業。魔法のサンドイッチ「マジックパン」の愛称で、長年地域で親しまれ、ボリュームが売り。手作りサンドファンが多く、中でも「耳たまご」(50円)は大人気で、遠方から通ってくるお客さんも多い。TV番組でも取り上げられた。
  2. 譲受者:山根智治 氏(40歳) 神戸市北区在住
    略 歴:海外駐在も含め水産商社にて13年勤務後、2015年から山口県・萩市の地域おこし協力隊として3年間勤務。任期中の2016年に水産加工物を扱う商社 「Mount Root」を創業、兵庫県産品の海外輸出も行っている。
  3. 譲渡契約締結日:令和2年11月11日
    譲渡理由:後継者不在
    譲渡形態:全株式の譲渡

2.案件の経緯

  • 当財団の中小企業実態調査で事業承継に課題があると回答をいただいたことがきっかけで、有限会社ピンポイントに当事業を担当する職員が訪問した。
  • 当時、小笠原氏には後継者がおらず、なかなか条件の合う人もみつからなかったため、70歳を目途に(廃業も視野に)引退を考えていた。職員の訪問で当財団の「KOBEあとつぎサポートチーム」による支援を知り、会社の価値算出に関する助言や承継の進め方などについて後押しを受け、後継者探しを決心した。
  • 一方の山根氏は、食品輸出事業に前職も含め13年の経験を持ち、アジア圏を中心に取り組んできた経歴があり、2018年9月には野球教室の事業継承も経験していた。他県で地域おこし協力隊の活動時に、地域課題として事業承継に興味を持ち、価値ある事業が後継者不足という理由で廃業になるのは、 もったいないと考えるようになった。その後、「KOBEあとつぎサポートチーム」の存在を知り、当事業の後継者候補として登録した。
  • 山根氏は当財団のサポートと平行し、自分でもインターネット等で補助金・融資、契約手続きなどを調べ、各所に問い合わせをするなどした。また神戸商工会議所の『後継者塾』に参加し、基本的な承継のこと、今後の事業展開のことなどを考え準備された。
  • 当財団のマッチングにより、小笠原氏との面談を経て、山根氏自身の経験を活かせる同社に魅力を感じ、条件面でも合意することができたため、譲渡契約を締結するに至った。

3.引継ぎ後の新会社の方針

  • 創業から25年、今まで先代が築いてきたこの事業の思いや、お客様を大切にし地域に愛される店舗を継承していきたい。
  • 大切なものを守り、更に自身の新たな取り組みを行い、次の25年へ繋いでいけるよう事業を成長させていきたい。
  • コロナ後は生活の変化など先が予想しづらいが、多くのお客様に支えて頂き、店舗の売上は大きく増えている。時代の変化に遅れないよう、お客様が求める商品を提供していきたい。
  • 店舗以外での売上を増やし、雇用の拡大を目指す。
  • サンドイッチを通じて、地産地消に貢献できるよう、兵庫県産・神戸市産の食材の取扱を増やしていきたい。