事業承継のその後~手作りサンドイッチ専門店マジックパン~
2020年11月、神戸市灘区で長年親しまれてきた手作りサンドイッチ専門店「マジックパン」で、第三者へのマッチングが成立し、譲渡契約が交わされました。
約4年半経った今、「マジックパン」はどうなっているのでしょう?取材の様子をお届けします!
経営者 山根氏
迎えてくれたのは、山根 智治氏。
4年半前に財団の100年経営支援事業を利用し、
「マジックパン」の創業者小笠原 恵氏から
株式を譲受しました。
そして現在、その経営を担っています。
経営者になることを決意したのは、サラリーマン時代、シンガポール出張時。
エリートが揃う場に立ち、「この人たちにはできないことをしたい」と思ったと語ります。

事業承継の道を選んで
新しく起業する道ではなく、事業承継する道を選んだ山根氏。事業承継の良さを実感していると言います。
その一つは、既に名が知れているため、営業せずとも一定の需要があること。安定した売り上げは、新しいことへの挑戦のしやすさにつながっているそうです。
もう一つは、一緒に働く従業員が育っていること。自分たちで考えてお店を回そうとする、頼れる現場従業員の存在により、他の事業や新たな戦略について考える時間が生まれているのだそう。「むしろ、僕がアドバイスをもらっている」と嬉しそうな山根氏。関係性の良さが伺えました。
事業拡大、そしてこれから
山根氏は現在、手作りサンドイッチ専門店「マジックパン」に加え、スーパーマーケット「もんどマート(門戸厄神駅ちかく)」の経営も担っています。このスーパーも約1年前にM&Aにより獲得。「マジックパン」とのシナジー効果を狙い、事業を拡大しています。
新しい取り組みとして山根氏が今考えているのは、「もんどマート」の精肉を使ったカレーの販売。需要を考慮し、周辺で働く人がお昼休みにさっと食べられるような手軽なカレー、日常生活に溶け込むカレーを構想中。売れ行き予測が立てづらい精肉の有効活用、「マジックパン」が低迷しがちな1月、2月の売り上げカバーを狙う考えです。
これからの展望を尋ねると、「マジックパン」をさらに伸ばす戦略を練り実行していくと、熱い思いを語ってくださいました。
取材を終えて
前経営者小笠原氏の思いを受け継ぎ、従業員を大切にしている姿が印象的でした。お話を伺っていると、山根氏と小笠原氏、従業員のみなさんとが良い関係性でつながっていることが想像されました。
一方で、山根氏からは課題を冷静に見つめ、積極的に改革に取り組む姿勢、意気込みも強く感じられました。
これまでの良さ、強みを生かしつつ、時代に合わせてさらなる発展を遂げる「マジックパン」。
その成長を陰ながら応援しています!
利用された支援
- 100年経営支援事業
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後継者問題等に悩む企業経営者を、(公財)こうべ産業・就労支援財団がしっかり寄り添います!
後継者マッチング成立時の記事はこちらから
https://kobe-ipc.or.jp/archives/user-voice/2169