古き良きものを新しくクリエイト。技術を吹き込む職人技!~KOBE INISHIE GLASS~

旭屋硝子店(神戸市長田区)

昭和の記憶と共に新しいガラス製品を手掛ける、日本の型板ガラスを扱う旭屋硝子店。

工房の中には、多くの型板ガラスと昭和の時代を彷彿とさせる模様入りの器が並んでいます。

専門家派遣:経営革新支援事業

【依頼事業者】
旭屋硝子店(KOBE INISHIE GLASS)
代表 古舘 嘉一 氏
ホームページ:旭屋ガラス店 (asahiyagarasuten.com)

【専門家】
グラフィックデザイナー 賀川 剣史 氏

【専門家派遣の内容】
ロゴマークの構築とそのロゴで製品の知名度を上げるブランディング要素を兼ねた支援

型板ガラスとの出会い

古舘代表は、元々は大手電機メーカーの絶縁材料を作る会社員でした。

サラリーマン時代にものづくりに携わることで新しいことに次々にチャレンジする機会があり、多くの研究に関わる中での人と人とのご縁により生まれる製品づくりの面白さを感じたそうです。その後、3代目として旭屋硝子店を後継した時に、先代がガラス棚にストックしていた型板ガラスの模様の美しさと種類の多さに初めて気づきました。

それから約2年間、ステンドグラスとガラス工芸を学びます。

その事により、昭和の型板ガラスをランプシェードに使用したり、熱をかけて型板ガラスの模様を残したまま曲げてお皿にしたりする技術を考案するに至ります。

家屋解体時や改築時には、使用済みの必要でなくなった型板ガラスはそのまま廃棄処分となることが慣例で、廃材となるガラスをリサイクルする手段もこれまではなかったようです。

そこで神戸長田発の取り組みとして、使用済みとなった日本の昭和時代の型板ガラスをアップサイクルし、魅力的な作品になるよう制作することを始めました。

現在は、代表の他に2名で制作を手掛けています。

インターネットで話題になってからは、メディアからの取材が次々に舞い込み、その対応にも大忙しの毎日。先日は、滋賀県の古民家での展示会にも出品していました。

ガラスの仕入れには、関東方面から山口県まで全国を飛び回っています。

細やかな技術とステンドグラス工法が施されています
皿型と型板ガラスをカットしたもの
型板ガラスはスクエア型にも加工できる
一枚一枚の模様の美しさが際立つ
模様も形も様々な世界に一つのランプ
天井に浮かぶ型板ガラスの美しい影模様
洋風の曲線を活かしたランプも趣深い

専門家派遣について

グラフィックデザイン専門家の賀川先生は、

「依頼のある案件は一件一件違うことから、まずはその業界について、その商品について、丁寧にヒアリングすることから始まります。古舘代表がそれを受け入れてくれました。」と謙遜されていました。

古舘代表と息がピッタリと合う空気は、お話を聞いているだけでも伝わってきます。

【専門家派遣事業を利用した理由】

①産振財団からの専門家への謝金補助があったこと

②事前打ち合わせにて:専門家との相性が合ったこと

③事前打ち合わせにて:叶えたいもの(ブランド)をしっかり汲み取ってくれたこと


専門家派遣で大切なこと。それは、

「依頼者と専門家の双方が相手を受け入れること。」

「つまり、関係性を作ることが最も大切です。もし合わない場合その後の関係性にひびが入ることは避けたいと考え、知り合いに頼むことも考えましたが、第三者機関にお願いすることにしました。
産振財団が間に立ってくれることで安心でき、トラブルも回避できると思います」と古舘代表。

製品ブランドの確立

旭屋硝子店も記されたブランドロゴ

ブランド名は「KOBE INISHIE GLASS」。「INISHIE」は古舘代表の「古=いにしえ」を表現。
シンボリックなインパクトのあるロゴの考案に、賀川先生は実は頭を抱えていました。

というのも、古舘代表はゆくゆくこの日本文化そのものである型板ガラス製品を海外に展開していきたいと考えていたからです。日本と海外への事業展開を見据えた見せ方が必要となり、和文と英文のダブルスタンダードなロゴ制作はハードルがとても高かったそうです。

お二人での考案の中で、古舘代表がふと「INISHIEのアルファベット表記がいいです!」

その言葉で、問題は一気に解決。古舘代表と賀川先生との伴走構築の証として、古き良きものが新しく生まれ変わる製品ブランドロゴが確立されました。

また、古舘代表は工業系に博識がある弁理士との出会いにより「型板ガラス加工方法」と題して、特許出願しています。

KOBE INISHIE GLASSの未来

古舘代表の一番お気に入りのランプシェードは?

どんなロケーションでこの製品を使って欲しいですか?と古舘代表に質問したところ、

「和洋折衷ゆっくりと寛げるスペースで、リラックスしてお酒や食事を楽しむところ」

「渋く落ち着いた雰囲気の料亭や旅館などや、装い華やかなイメージの空間でも似合うかな・・・」

古民家から荘厳な佇まいの館まで、古舘代表が手掛けた「KOBE INISHIE GLASS」は、所選ばず今日も人々の日常を照らします。

◆旭屋硝子店が利用した産振財団支援メニューはこちら

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