IT企業として初めてのSDGsゴールド認定!~株式会社ユーシステム~
IT企業の「株式会社ユーシステム」は、ホームページ制作やシステム開発、ITサポートを手がける企業です。ユーシステムは早い段階から『女性活躍』や『仕事と生活の調和』などを積極的に経営に取り組まれていました。
そして今回、IT企業にとって難しいとされる環境分野での取り組みも評価され「ひょうご産業SDGs認証事業」でゴールド認定を受けました。


ユーシステムが人手不足や長時間労働といった中小企業が抱える課題に対して行った取り組みや、専門家の力を借りた感想などをご紹介します。

専門家派遣:経営力の向上支援事業
【依頼事業者】
会社名:株式会社ユーシステム
代表者:代表取締役 佐伯 里香 氏
創 業:2002年
従業員:25名
事 業:WEBシステム・クラウド開発・ITサポート・DXコンサルティング・HP制作・WEBサイト運営サポート・技術者派遣
【専門家】
会社名:おかべ診断士事務所
代表者:岡部 清一 氏
*建設業・物流・食品製造業などを中心に経営改善支援を行っている。
*特にSDGsを経営導入するのを得意とする中小企業診断士。
「ひょうご産業SDGs推進宣言事業・認証事業」とは?
兵庫県は、SDGsの取り組みを大企業に限らず中小企業にも普及させるため、「ひょうご産業SDGs推進宣言事業・認証事業」を実施しています。中小企業がSDGsに対応することで、経営リスクを軽減し持続可能な社会づくりに貢献できるよう支援しています。
認証には「スタンダード」「アドバンスト」「ゴールド」の3つのレベルがあり、ゴールドは社会・経済・環境で独自の取り組みが認められた企業だけがもらえる特別なものです。
なぜゴールド認証を目指したの?
SDGsゴールド認証を目指すかなり前から、ユーシステムは女性活躍やワークライフバランス、ジェンダー平等などに取り組んでいました。「それらの取り組みを『見える化』することで、より多くの人々に認められ会社の信用にも繋がると考え、申請を行うことに決めました。」と佐伯代表は話します。

SDGsへの取り組みを振り返って・・・
IT企業として初めてSDGsゴールド認証を取得しましたが、特に環境面での取り組みが難しかったようです。残業を減らすことで節電になり働きやすさにも繋がると理解はしていたものの、具体的な形にするのは難しく、岡部専門家に相談した事で解決できたようです。
取り組みとしては、トップダウンではなく社員みんなで課題を話し合い、会社をどう改善するかを数値目標にして2~3人のグループで活動しながらPDCAを回しました。
従業員の藤本さんも「初めは忙しい中でいろいろあったが、今は課題に対して話し合うことが当たり前になっている。」と言います。

情報を共有し進捗を見える化したことが長時間労働対策に効果的でした。システムを導入し、スケジュールを15分単位で入力。これにより会議を大幅に減らす事ができ、1人当たり年間216時間の労働時間が削減できました。
その他にも利益率も把握でき、従業員が辞めてもその仕事内容が分かるようになったそうです。
岡部専門家の力が大きな助けに

岡部専門家から「ユーシステムは始めからクラウドも利用し、電力CO2の削減なども取り組んでいるが、それが当たり前になっていて気がついていない。全て網羅的している中でどの部分を特化させるかが重要。」とアドバイスされたそうです。そこから人材育成や教育に注力する方向性を示されました。
「若い人はプログラムが得意でも、改善案を出すのは難しい。しかしプログラムが出来なくても、経験者がリスキリング(再教育)を受けると改善案を出せるようになります。」と佐伯代表は語り、実際に採用したIT業界未経験者の元教員(当時60歳)を採用された話を聞かせていただきました。
ユーシステムでは、AIを活用したIT人材の育成研修に取り組まれており、その研修の中でIT人材としての力やポテンシャルを持った受講者を見つけることができ、通常の書類選考では見落としていたかもしれない人材を結果としてユーシステムで採用することになりました。この方は、現在では訓練校の講師として活躍されているそうです。IT業界が抱える専門スキルを持つ人材の確保という課題を上手に解消され、SDGsにも貢献されています。
また、佐伯代表から「ゴールド認証を目指すには外部のアドバイスが重要です。民間ではSDGsというテーマの相談先が分からない。」と産振財団の専門家派遣に対する信頼性を述べていただきました。

これから目指す企業へのメッセージ
「日本はSDGs(持続可能な開発目標)への取り組みが遅れています。だからこそ、今のうちに先に進んでいる企業がアピールできるチャンスです。SDGsは特別なものではなく、会社の改善に役立つ指針として活用すればいい。SDGs認証を受けることで会社の信用が高まり、取引先も広がる。良いことしかない!」と佐伯代表からエールが送られました。
ユーシステムのSDGsの取り組みの一部をご紹介!


*業務の効率化
(働きがいと経済成長・環境負荷の軽減・ジェンダー平等)
業務支援システムを開発し、導入から運用。リアルタイムで業務状況把握による業務効率化と就業環境の改善。
*プロギングの実施
(環境保全)
ジョギングをしながらゴミ拾いを行う新しいSDGsフィットネスを官民連携して実施。
取材を終えて・・・
印象的だったのは、ユーシステムが従業員の意見を積極的に取り入れ、先進的な考えを経営に反映させている風通しの良い職場だと感じたことです。
SDGsは一見ハードルが高いように感じますが、日常業務の中で取り組める課題に向き合い、それをSDGsの一環として進めることで企業が活性化し経営力が高まっているようです。
今では小中学生からSDGsを学んでいる時代です。
次世代を担う新たな人材をこれから確保していくためにも企業としてSDGsの取り組みを積極的に取り入れていくことが重要だと改めて実感しました。
株式会社 ユーシステムのご利用事業
・専門家派遣(https://kobe-ipc.or.jp/specialist)
経営課題の解決に取り組む中小企業・小規模事業者の方々を対象に豊富な経験と実績を持つ専門家を派遣し、課題解決に導く支援を実施します。
中小企業者の方々に主体的に取り組んでいただくことで、支援終了後も自走・持続的に成長可能な仕組み作りをサポートします。