SDGsゴールド認証 情熱ダイニング
~このお店を通じて、神戸を元気にしていく~

廃棄されるはずだった野菜が、“突き出し” として新たな価値を持つ——。
そんな取り組みで、地域と人を元気にしている企業があります。

地産地消を軸に創作料理店を展開し、神戸の食文化を育む取り組みに情熱を注ぐ「情熱ダイニング株式会社」。
「ひょうご産業SDGs認証事業」の中でも最上位となる「ゴールド認証」を取得しました。その節目に訪ね、これまでの歩みや今感じている思いについて伺いました。

左から:専門家 岡部氏、情熱ダイニング株式会社 代表取締役 池原氏、執行役員 疋田氏

専門家派遣:経営力の向上支援事業

【依頼事業者】
会社名:情熱ダイニング株式会社
代表者:池原 晃喜 氏
創 業:1996年11月
従業員:150名(内社員20人)
事 業:野菜の創作・魚・肉・コンセプト型居酒屋
/野菜スイーツの販売/ケータリング/飲食店向けコンサルティング

【派遣専門家】
岡部 清一 氏 専門家情報はこちら
*建設業・物流・食品製造業などを中心に経営改善支援を行っている。
*SDGsの経営導入を得意とする中小企業診断士。

「ひょうご産業SDGs推進宣言事業・認証事業」とは?

兵庫県は、SDGsの取り組みを大企業に限らず中小企業にも普及させるため、「ひょうご産業SDGs推進宣言事業・認証事業」を実施しています。中小企業がSDGsに取り組むことで、経営リスクの軽減や持続可能な社会づくりにつながるよう支援しています。

認証には「スタンダード」「アドバンスト」「ゴールド」の3つのレベルがあり、ゴールドは社会・経済・環境で独自の取り組みが認められた企業だけがもらえる特別なものです。

なぜゴールド認証を目指したの?

もともとSDGsの取り組み自体は行っていたものの、制度を知った当初は「正直ハードルが高いと感じていました。」と池原代表は振り返ります。
それでも一歩を踏み出せた背景には、行政との意見交換や経営者同士が集う場での対話がありました。そうした中で “兵庫県はSDGsの取り組みが遅れている” という課題意識が共有され、「自分たちが率先して動こう。」という機運が高まり、一歩を踏み出したそうです。

SDGs認証について池原代表は「自治体からのお墨付きは中小企業にとって非常に大きな価値がある。」と語ります。

SDGsへの取り組みについて

情熱ダイニングのSDGsに関する数ある取り組みの中で、特に象徴的なのが “神戸もったいないプロジェクト” です。

この取り組みは、JA社長との意見交換をきっかけに2015年にスタートしました。廃棄されるはずだった野菜を買い取り、新たな料理として提供する試みです。

直売所から届くのは、売れ残りの野菜たち。
どんな野菜がどれだけ届くのか分かるのはいつもお昼過ぎで、実際に食材が届くのは15時頃になることもあります。限られた時間の中で、厨房スタッフはその日の夜の “突き出し” を考案し、限られた資源を最大限に活かしています。

こうした姿勢は“エフェクチュエーション”という限られた人材やノウハウ、その時にある資源を活かす考え方にも通じるものです。

また、その考え方は人材育成にも活かされており、アルバイトを含めたスタッフ一人ひとりが主体的に役割を担う仕組みへとつながっています。アルバイトの中にもリーダー役を担う人がいて、雇用形態に関係なく責任ある仕事を任されることで、成長の機会が生まれています。

情熱ダイニングのSDGsの取り組み(一例)

*実行計画書
アルバイトも含めスタッフ全員が参画する、ファン創りのための実行計画書。
顧客満足度の最大化を目指す活動です。

*応援弁当プロジェクト
行き場を失った野菜を活用し、調理したお弁当を児童扶養手当受給世帯や子どもたちへ無料または200円で提供。
子どもへの食支援と、農産物の有効活用による農家の収入を確保する活動です。

専門家 岡部先生の伴走と支援

情熱ダイニングの取り組みはすでに形になっており、岡部先生は「新たに何かを加えるのではなく、今ある内容を整理し、伝わりやすくすることが役割でした。」と振り返ります。

認証取得に向けた審査会でのプレゼンテーション資料については、「取り組みを絞り込みすぎず、幅を持たせ全体像を見せたほうがいい。」といった助言があり、疋田さんは方向性を整理する上で支えになったと話していました。

SDGsへの取り組みについて岡部先生は、「利益や経営につながっていくもの。」と力を込めます。情熱ダイニングの取り組みが、これからさらに広がっていくことへの期待も強く感じられました。

岡部先生とSDGs勉強会

これからSDGs認証を目指す企業へのメッセージ

「社員自身が、自分の会社のことをよく知らない。実は、意外と多いことなんです。」そう疋田さんは語ります。

取り組みを考えるのは経営層中心になりがちですが、現場で働く人たちは、その意味や背景を十分理解しないまま業務に向き合っているケースも少なくないといいます。

SDGs認証に向き合う過程は、そうした取り組みをあらためて整理し、現場で働く一人ひとりが「自分の作業が社会に役立っている仕事だった。」と気づくきっかけになります。
その気づきが、会社を好きになること、そして自分の仕事を好きになることにつながっていく――。
そんな変化が生まれていました。

取材を終えて・・・

今回のSDGs認証を一つの後押しに、これまでの取り組みをさらに磨き上げながら、商品開発や人材採用へと意欲的に歩みを進めていきたいと思いを語っておられたのも印象的でした。地域に根ざしたその挑戦が、今後どのように広がっていくのか楽しみです。

情熱ダイニング株式会社はもともと十分な取り組みの土台がある中で、専門家の後押しのもと整理・言語化を進めたことがゴールド認証へとつながりました。
この記事をきっかけに「財団に相談してみよう」と思っていただければ幸いです。
お気軽にお問い合わせください。

情熱ダイニング株式会社のご利用事業

・専門家派遣https://kobe-ipc.or.jp/specialist
経営課題の解決に取り組む中小企業・小規模事業者の方々を対象に豊富な経験と実績を持つ専門家を派遣し、課題解決に導く支援を実施します。
中小企業者の方々に主体的に取り組んでいただくことで、支援終了後も自走・持続的に成長可能な仕組み作りをサポートします。